水と空気と暮らす LIVE with WATER and AIR
和紙の和紙たる由縁
和紙は、水の中にコウゾやミツマタの繊維を浮遊させて漉きとる方法でつくる紙です。接着剤は使いません。木の持つ成分で絡み合い接着するのです。ですから、空気も水蒸気も通ります。また木材が持つ調湿能力も失うこと無く維持されています。塩化ビニル樹脂やオレフィン樹脂でつくられるビニルクロスとは大きく異なる性質を持っています。
さらに、素晴らしいのは表情ですね。顕微鏡的には繊維がランダムに重なっているので、光を乱反射します。とても優しい表情を持っています。また、薄く漉いた紙は光を通します。障子紙ですね。これも光を拡散しますので、室内をまんべんなく優しい光で包み込みます。天井も明るくなるのでびっくりします。
写真:旧猪俣邸(吉田五十八設計) 東京都世田谷区成城