水と空気と太陽と暮らす LIVE with WATER and AIR and SUN

エコハウスの造り方

この家は、いわゆる快適な家ではありません。夏も冬も少しだけ暑かったり寒かったりします。
そんなときは細く窓を開けて、外の風を取り入れてみたり、1枚多く羽織ってみたりして過します。
1年中同じ服装で過せる快適さは、私たちには必要ないからです。

それでもこの家は、外から帰って家の中に入ると、ホッとする気温を保ってくれます。
それは、ほんの2~3度の差です。
2~3度涼しかったり、暖かかったりするだけで、私たちはこの家に守られていると、とても安心するのです。 -Rumi.T

太陽の恵みと地球の恵み

地球の恵みの素は、太陽の熱

太陽の熱は、1億5千万㎞をトコトコ駆けてきた輻射熱です。 この家は その輻射熱を住まいに採り入れ、その輻射熱で採暖採涼をします。 太陽の恵みの熱と、地球の恵みの熱を、両手両足を背一杯広げて受取る仕組みです。そして、人と住まいの健康の素「呼吸する家」をつくります。

呼吸する壁

この家の壁は、呼吸する壁です。壁の中の柱や梁などが、いつも呼吸できるようにしています。壁をボードで覆ってしまい、呼吸できない状態になっていると、カビや腐食の原因になるからです。

土間は冬暖かく夏涼しい

土の温度は、年間を通して冬に最も温度が高くなり、夏に最も低くなります。これは不思議な自然現象ですが、冬眠をする熊はこのことを本能で知っていますから、穴を掘って冬眠します。この家では、この自然現象を家の暖房と冷房に取り入れています。

春夏秋冬

窓を開けっぱなしで、吹き抜ける風が心地好い。
体が喜ぶ感じ。

猛暑の公園、
子供たちと遊んで家の中に入ると、なんだか涼しい。
木陰のような涼しさ。
クーラーのキーンという冷える感じは好きではない。
麦茶を飲んで、そのまま畳で昼寝。
風鈴の音が心地好い。
夜は窓を開けて眠るので、カエルの大合唱。

窓から見える田んぼが見事に黄金色に。
お米のにおい。
秋も割と窓は開けっぱなし。

家の中は寒くない。不思議。
輻射パネルがじんわり暖かい。
マンション暮らしのころは結露がひどく、
乾燥のせいで、朝起きるとノドが痛かったが
それはまったくない。
2年暮らしてみて思うことは
自然がどれだけ厳しいものであっても
家の中では快適だということ。
電化製品の力任せな快適さではなく
自然に寄添うような快適さなのです。
「心地好い」それにつきます。       ーFumiyasu.T

呼吸する壁

室内のガス濃度が何らかの原因で上昇すると、壁を抜けて外気に出て行く作用。これが通気です。また、室内の湿度が高くなると、湿度の低い外気に向って水蒸気が出て行く作用。これが透湿です。当然、逆のことも起こります。外部の濃度が上がり、室内の方が濃度が低ければ室内に入ってくることにもなります。
都合のいいことばかりではありません。
しかし、多くの場合、健康な社会では、外気が健康の基本です。

ここで、もう一つ大切なことがあります。それは、壁や屋根の中の状態です。
壁の中や屋根の中は、毎日厳しい温度上昇があり、夜には下降し、放射冷却もあります。また、かんかん照りで温度が100℃を超えるほどに上昇した屋根材は、突然の夕立に襲われることもあります。激しい温度差は、結露現象を起こすことが珍しくありません。こうした壁や屋根の内側の湿気が、乾く仕組がないとすぐににカビが生じ、腐朽菌も繁殖してしまいます。また、シロアリに襲われる可能性も大きくなります。
人間も、建築も健康であるためには、薬剤で防腐するのではなく、「通気」「透湿」する構造を作りことが根本なのです。
また、高温多湿低温低湿の日本では、冷暖房だけではなく調湿しなければ快適は得られません。大変根本的な課題がここにあるのです。それにしては、建築技術者の関心が薄いのは何故でしょうか。

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